開発者の声

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2011.5.18

開発者の声 5 ~CHRIS SWEETMAN~

2011.5.11

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2011.4.13

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2011.3.23

開発者の声 2 ~リアリティの対照~

2011.2.25

開発者の声 1 ~ようこそ、Brinkの世界へ~


2011.5.18

開発者の声 5 ~CHRIS SWEETMAN~

イントロダクション

僕はSplash Damageでオーディオ・ディレクターをしている、Chris Sweetmanです。今回の開発者の声では、サウンド・デザインについてお話します。オーディオ・ディレクターの仕事ってどういうものか想像できますか?僕の仕事は、ゲーム内の音楽・会話・効果音など、耳に入ってくる全ての音のクオリティを管理する仕事なんだ。もっと詳しく説明するとゲームプレイやカットシーン、そしてトレーラーなどその他にも多くの分野に分けることができるよ。

僕の仕事の内訳は、楽曲やその使用許諾については作曲家と、セリフに関しては声優さんたちとがメイン。そして効果音のデザインは自分が担当するといった具合だね。また、オーディオ・プログラマーのSimon Priceは僕と仕事をする場面が多く、彼無しでは何も実現はしない程重要な役割だね。

音の空間

シングル/マルチプレイのシューターゲームは今までにたくさんプレイしてきたけど、いつも懸念している事項が1点あるんだ。それは、『音の空間』と呼ばれるもの。言い換えると、喧しいくらいの音が一度にどれくらい同時に聴こえるのかという問題をどう解決させるか、ということなんだ。音楽・砲撃・会話・爆発・環境音・ナマ音などの全ての音を一斉にドカンとならすと、殆どの場合聴覚がひどいことになってしまう。Brinkのプロジェクトに携わり、この問題を何とか解決したいと決心したんだ。

“Choir of Guns”のコンセプトは、BLACKというタイトルをやっていた時にはすでにあったんだ。Brinkの焦点をシングルとマルチの間の線をぼかすことに合わせていたのは、時期的に明らかに早かったし、しっかりとした物をつくりたかったんだ。モロトフカクテル(火炎瓶)の爆発やミニガンの銃声、また巨漢のプレイヤーが目の前でドタドタ歩く音であれ、僕らはBrinkの全ての音が完璧に聴き取れるようにしたかったんだ。これらの音は、オーディオ・ミックスに十分なスペースがあれば、正確に聴くことができる。16人ものプレイヤーが一度に同じ場所にいることを当たり前と考えるなら、全員が同じ音で引き金を引くわけだから、このチャレンジの規模がどれほどのものか明らかだろうね。

これに付け加え、Brinkのために3つの高度なチャレンジを自分たちに課すことにしたんだ。(もちろん、音を素晴らしいものにするということは当然の内容だよ)

1つ目は、ゲームプレイを強化するために音響に力を入れること。様々な行動に音を付けるだけという単純作業の罠に陥るのは、とても安易なことさ。しかし、“ここでは音は必要ないね”という発言を恐れず、レベル・デザイナーと協力することはとても重要なんだ。

2つ目は、SMARTシステムがプレイヤーがゲームの世界と関わるのに重要な役割を担っているので、ナマ音(Foley)を作成することでしっかりとした感じを味わって欲しかった。

3つ目は、BrinkがFPSであるから、兵器の効果音のクオリティアップは明らかに優先度の高いものさ。プレイヤーの使う銃は、基本的に主役なんだよ。舞台での95%もの時間を演じているようなものだから、これらに素敵な“声”を持たせてあげたいんだ!

A CHOIR OF GUNS

16人ものプレイヤーが引き起こす銃声や爆発音を、とても接近した状態でも問題なく聴こえるようにするには、巧妙なアプローチが必要なんだ。

まず初めに、ゲーム内で使用する武器を音の質の違いで、セキュリティとレジスタンスの2つの派閥に分けたんだ。武器のデザインはどちらの派閥でプレイするかによって、異なった外見にしようと決めていた。だから、これに関しては理にかなってるね。セキュリティの派閥で使用できる武器は、丁寧にメンテナンスが行き届いた音を再現したんだ。それゆえに、爆発音については臨場感があり威勢がよく厳格な音なんだ。その一方で、同じ種類の武器でもレジスタンスで使うものに関しては、使い古されて乾燥した感じの音になったんだ。だから、爆発音は、ずさんでカタカタと音を立ててる感じだね。

そして、コンセプトの段階で、武器音は、聖歌隊でいうところの、アルトやバリトン、テナーといった感じで、異なった素材でデザインされたんだ。この考えは、もし類似した音がする武器が、隣接した空間で再生されるとしたら、お互いの音を邪魔するのではなく、調和のとれた旋律となる用にしようということさ。

これに加えて、それぞれの武器に3つの独自の空間のステージを与えたんだ。

  1. 近接した三人称音声 - 自分の隣にいるプレイヤーにはどのような音が聴こえるのか
  2. 中距離のサンプル - プレイヤーから15~20フィート離れた場所から聴こえる音
  3. 遠距離のサンプル - レイヤーから20フィート以上離れた場所から聴こえる音

これらのサンプルは途切れることなくクロスフェードするものや、ゲームプレイ中に実際に起こっている出来事を元にして、戦闘の雰囲気を展開するのに役立っています。

周囲の音のに組み込まれた、3つのことなった空間のステージが、その場の戦闘の雰囲気を生み出しているわけさ。プレイヤーはどこで戦闘が行われているか、どのくらい離れた場所で戦っているかを知ることができよ。

移動音を臨場感あるものに

障害物を乗り越えスライドすることから高所によじ登り壁に飛び移ることまで、プレイヤーが地図の至る所で何をしているか音で判断できるのを確かめる必要があったように、SMARTシステムが興味深いチャレンジであると発表したんだ。またハードコアPCゲーマー達と話してみて、小さな秘密が明らかになったんだ。PCでオンライン対戦をしているとき環境音を無効化して、敵の足音のみが聴こえるようになるんだ。

これは、幾つかの新しくて面白い目標を僕らに与えてくれたね。正に移動音がゲームプレイを物語っていて、プレイの状況に応じてプレイヤーに知らせる必要があるんだ。そんなことを思いながら、FoleyアーティストとしてAndrea Kingを迎え、僕らはGlen GahardとSheppertonスタジオにて2日に渡るセッションを手配したんだ。むしろ大きいくらいのリストを携帯して、僕らは洋服の効果音からタレットがスピンしている音まで全てを収録したんだ。(実際は、どれだけの洋服がキャラクターに着用されているかによって変わるんだけどね。)

僕にとって効果音を録音すること(Foley)は、ゲームのサウンドデザインの分野では未発見エリアの1つなんだ。僕らはBrinkのためだけに街へ繰り出して、まず初めに全てのボディタイプクラスに異なった足音のサンプルを持たせたのさ。近寄ってくる足音の調子で、ライト/ミディアム/ヘビィの内どのボディタイプであるかを識別することができるんだ。武器の効果音収録にも多大な時間を費やしたよ。アイアンサイトを覗く時も同様に、それぞれの武器に構える時の音のカスタムセットがあるんだ。

武器に相応しい音

武器音はシューターのサウンドデザインにおいて、クリエイターが直面するもっとも大きなチャレンジの1つだね。まず始めにしておくべきことは、元となる資料作成だった。僕らのゲームがどのようなスケールがしっていたから、既に幾つかのゲームで使われているようなサウンドのソースを使用するのは、問題外だと思っていたよ。だから、それを使うつもりは無かった。それゆえに、全くのゼロから自分たちの素材を収録しなければならなかったんだけどね。

僕は、友人の一人であるCharles Maynesに連絡を取ったんだ。彼は僕の知っている中で、もっとも経験深く才能にあふれたサウンドレコードのできる人材の一人なんだ。35もの武器音の収録のために、ラスベガスの砂漠の中、2日に渡たる収録を実施したんだ。

武器たちの“キャスティング・リスト”には、大量の個性があったね。正に現代の最新武器から、第二次世界大戦の頃に使用されていたような銃器まで、幅広くバラエティーに富んだラインナップだったよ。昔の武器なんかは、現代で使われている戦闘用武器に比べると全く別物だし、より機械音チックな感じがするね。第二次世界大戦風のライフルやマシンガンは、鉄製の堅い鋼片から加工されていたんだ。そして木製の銃床に収められていた。乾いた武器の操作音も熱い発砲する音も、それら全てが生み出すんだ。 -- 現代の型打ちされた鉄やポリマー武器よりも、異なった深みのあるクオリティ。.30 ammunitionのベルトを押し分けて、Browning M1918 medium machine gunの装填音や撃鉄音、射撃音が聞こえるとき、M249 Minimi firing 5.56mm ammoのような近代兵器とは異なった音がするんだ。(念のためその音も収録はしましたが。)

一端スタジオに戻り、これら収録データを使って、プレイヤーがBrinkで耳にする、全武器の効果音の基本形に編集したんだ。そしてそれぞれの武器は、異なった効果音データをミックスしたりすることで、武器のサウンドデザインが進められてったんだ。

正しく再生する

アクションゲームにある武器効果音を再生するのは、とても重要なことさ。2つある最も一般的なアプローチとして、コード/ループモデルで誘発させるシングルサンプルを使用することにあるんだ。残念なことに、双方の方法には問題を抱えていた。シングルショットを繰り返し再生することは、発砲された自動兵器のような音に程遠いんだ。武器には、発砲したときにそれぞれ固有の射撃間隔があってね。それは、シングルショット音のみを使ったサンプルで具現化できるようなものではないんだ。一方で、ループ手法でこの問題の解決方を模索してみたよ。でもループしているショットには、いつも同じリズムで再生されるわけだから、そこにはバリエーションのかけらもないわけさ。

これらの問題は把握はしている。だから僕らはどちらのシステムを使わないことに決めたんだ。その代り、Brinkのためにユニークな解決方法を生み出したんだよ。おおよそ15ラウンドもの武器の爆発音を、開始/中間/終了の3つのグループに分けるという、粒状システムを思いついたんだ。

  1. 開始:一番初めに発砲されたショットになります。サンプルは常に同じです。
  2. 中間:発砲されているそれぞれのショットの小さな区間で、分かれています。
  3. 終了:バーストの終わり際の終息音です。開始と同じくサンプルは常に同じです。

巧妙なコードマジックを使うことで、プレイヤーが与えられた時間に銃器を発砲しているかゲームが確認をする。そして、上記の要素から発砲する音をダイナミックにアセンブルするんだ。この再生方法は、物凄い数の量のバリエーションを可能にできる。だって、サンプルの中からその場で中間をダイナミックにアセンブルできるからね。ソースレコードに収録されている特有の射撃間隔を維持して音の再現性を高めてるのさ。

素顔に迫る

僕が探求したかった他のエリアは、腰だめで発砲した時と、アイアンサイトを使ったときの音の違いなんだ。

以前は、ゲームに使われている音は同じものだった。自分の耳との距離に違いがあるのに、武器が全く持って同じ音であるのは理にかなっていないんだ。もし、耳の近くで武器の内部動作を聞いたり、銃口にマズルブレーキがあれば、現実では異なった音がするわけだから、ゲームでもそうなるべきだろうね。

この点を考慮して、明瞭で分厚い無骨な作動音(これら大量の第二次世界大戦時代の武器をこの件で蘇らす)そして、Stechkin APSやL34A1 Sterling SMG、De Lisle carbine.といった幾つかの静かで抑えられた音の兵器で、僕らは具体的に武器の収録をしたんだ。これら簡素なコッキング, 装填, 撃鉄 排莢の作動音は、各兵器に対して、完全な第2のアイアンサイトを覗いた時の音の基本領域を与えてくれた。いうなれば、際立ってより機械的に、そして衝動的な同等のものよりも“内部の動作に近い”ってことだね。

結論

自分が説明してきたように、ゲームプレイに必要な情報を、プレイヤーに提示するにはクールで独創的な音を沢山持っているだけでは十分ではないんだ。Brinkで採用したアプローチは、僕らが全ての音が意図するように聴こえるたくさんの音の空間を作ることを可能にしたわけさ。例え16人のプレイヤーが同時に銃器を発砲したとしても、ヘビィボディタイプの敵が近づいてくる足跡を聞くことができるでしょう